多くの企業が業務効率化のために脱Excel(エクセルからの脱却)を掲げています。
しかし、高額な新しいシステムを導入したにもかかわらず、結局はデータを一度エクセルにダウンロードして手作業で再集計している、という悲しい現実が多くの職場で起きています。
この記事では、なぜ脱Excelのプロジェクトが失敗に終わってしまうのか、その理由と正しい業務改善のアプローチについて解説します。
なぜ脱Excelは失敗に終わるのか
脱Excelが失敗する最大の原因は、現場で実際に手を動かしている事務職の声を無視して、IT部門や経営層だけでシステムを決めてしまうことです。
現場の事務職は、単純にデータを見たいだけではなく、例外的な処理(この顧客だけは請求書のフォーマットが違う、など)を毎月エクセルの手作業で微調整しています。
新しく導入されたシステムがこの細かい例外処理に対応できないと、結局はシステムからデータを出力し、マクロやVLOOKUP関数を駆使してエクセルで加工し直すという、以前よりも手間のかかる二度手間が発生してしまいます。
エクセルを完全に捨てる必要はない
そもそも、エクセルというソフト自体が悪者なわけではありません。
表計算ソフトとして、人間が自由に文字を打ち込んだり、色を塗って見やすい資料を作ったりする機能において、エクセルの右に出るものはありません。
問題なのは、数十万行のビッグデータをエクセルに保存しようとしたり、複雑なデータ連携をエクセルの中だけで完結させようと無理をすることです。
小さな自動化から始める正しい業務改善
いきなり会社全体のエクセルを禁止するのではなく、適材適所でツールを使い分けるのが成功の秘訣です。
たとえば、データの集計や名寄せといった重たい裏側の処理はKNIMEのようなノーコードETLツールに任せ、最終的な報告書の見栄えを整える部分だけをエクセルで行うようにします。
非エンジニアの事務職が自分のパソコンに無料ツールをインストールし、自分の担当業務の手作業を一つずつ自動化していく。
こうした現場発信の小さなDXの積み重ねこそが、最も確実で失敗しない脱Excelへの道筋になります。
